
今回の議題は『街の喫茶店はなぜ潰れないのか』である。
はじめに、この記事のまとめは以下とする。
- 居抜き起業は初期リスクが低いため有効
- 個人店のオススメとして3S(Slim,Simple,Slow)が大切
- 個人店の未来は SNSの口コミが握っている
ドラマは冒頭、インベスターメンバーの母が商売を始めるところから始まる。
39歳の女性がはじめるのは喫茶店。
商店街の店長夫婦に教えてもらって起業をするという。
しかし、喫茶店を営むことは、世の中の流れと逆行しているのではないか?
喫茶店は昭和の遺物のような職業で、今ではコンビニのコーヒーが100円で買える時代。
- コーヒー業界は産地や農園を明確にするサードウェーブが終わった。
- これからは誰が入れたかを明確にするフォースウェーブに転換しようとしている。
つまり、大手が有名バリスタを多く雇うことにより個人の喫茶店は太刀打ち出来なくなってくるのではないか。
しかし、中には漫画や小説をゆっくり読める、ポパイ的かつ逆張りシティボーイ的な喫茶店にも興味がある人も少なからずいる。
「喫茶店なら女性一人で経営出来ると思う」これは当てはまるのではないか?
しかしそれは間違いである。それに、店舗の家賃や開店資金が必要でありリスクも高い。

さて、このようにインベスターメンバーの母が起業するに当たって、喫茶店の開業はアリかナシかの議論がされる事になりました。
それでは本題に入っていきましょう!
居抜き企業とは?
インベスターメンバーが母が喫茶店の開業をするのを止めに来た。
娘:「開店資金や家賃はどうするの?」
母:「なんと開店資金はほぼゼロなのよ!今パートで働いている店をそのまま引き継がせてもらうの!」
- 店舗もお客さんも看板もそのまま譲り受けて商売をする。
- いわゆる居抜き起業とよばれるものである。
娘:「しかし、開店資金がかからなくても家賃などはかかるんじゃないの?」
母:「なんと、オーナーさんはお店の二階に住んでいるため家賃はいらないの。売り上げの10%を毎月支払うだけで十分だと言ってくださってるわ!」
Q、なぜオーナーさんは赤の他人に店を継いでもらうのか。
オーナーさん
「私たちはもう体力的に店を続けるのは不可能だと感じている。しかし、いざ辞めるとなるとこの店はとっておきたいなと感じる。このお店は私たちの思い出や愛情がいっぱい詰まっているから。」
Q、なぜ母に継がせるのか?
オーナーさん
「お母さんが掃除している姿を見てずっと見てきたから。毎回毎回自分の店でもないのに、綺麗に磨き続けてくれた。こんな誠実な人に私たちの店をついでくれたら、私たちは幸せだなと感じた。」

さて、ここまでは良い話だと思って感動的な展開?と思いました。
しかし、リアルを考えていくのがこの番組の特徴です。
それではいきましょう。
続いての議題。
喫茶店の居抜き開業はアリかナシか!
反対派の意見
「将来性はどうなのでしょうか?現在コーヒーチェーン店やコンビニが激しいコーヒー競争を行う中、喫茶店がやっていけるとは思いません」
賛成派の意見、オーナー
「この店には40年やって来たという実績がある。よって、この優良店をそのまま引き継がせてもらうのですから、まったく問題はありません。」
反対派の意見
「しかしその実績を作って来たのは、コーヒー競争が激化してくる前の話だよね?考えが甘すぎるのでは無いのか?」
賛成派の意見、オーナー
「競争なんてしなくて良い。繁盛なんてしなくて良い。毎日毎日行列ができて、満員になんてなるような店、御免こうむる。」
ここで、個人商店にとって必要な3Sが出てきた。
その3Sとは
Slim Simple Slow
が一番大事であるとのこと。
どういうことか?
- Slimとは、最小の人数
- Simpleとは、品数がある最小限のこと
- Slowとは、あまり忙しくないこと
反対派の意見
「それで経営していけるのか?」
賛成派の意見:オーナー
「いける。そうでなくてはいけない。」
Q、それを深く聞かせて
賛成派の意見:オーナー
「例えばラーメン屋をはじめる。人件費や材料費などのコストをかけて行列のできる店になる。そしてトップに立ったとする。しかし、その消耗戦を繰り返していくと、どんどん経営が辛くなってくる。」
ここでオーナーの一句
消耗戦
気づいてみれば
経営悪化
賛成派の意見:オーナー
「特に、中年女性が料理をメインにした店を経営してはいけない。
それを見越して喫茶店を経営した。」
Q、しかしコーヒーだけで売り上げを確保できるのか?
賛成派の意見:オーナー
「全く問題ない。店の周りに分譲マンションが16棟あって、その方々に週に一回か二回利用していただければ、利益は確保出来る。」
ここでオーナーの一句
喫茶店
周り良ければ
憂いなし
つまり商売というのは、マーケット管理である
どのようなお客さんにどのような商品を提供するのか。
このマーケット管理さえ出来ていれば、店を満席にする必要は無い。
常に3人、この状況を作り続けていれば、この商売は成功したと言える。
Q、それはどのような計算で成り立つのか?
賛成派の意見:オーナー
「ウチの定番商品、一杯600円のブレンドコーヒーの原価はいくらだと思う?
正解は20円が良いところかな。」
原価20円のコーヒーを600円で提供する。
3人のお客さんが
1時間に一杯注文すると1800円
10時から20時まで10時間の営業で一日の売り上げは18000円。
月商、およそ50万円。
これを、1年間コンスタントに続けていけば良い。
コーヒー豆は数年間保存出来る製品を大量購入すればいいから、在庫リスクがかからない。
つまり、
- 高利益
- 軽労働
- 高齢者OK
の商売である
さらに、所有物件の場合家賃ゼロで経営ができる。経費負担が軽い。
賛成派の意見:オーナー
「何か問題でも?」
反対派の意見
「........。」
商店街が10年後もあるとは限らない理由?
議題は引き続き、喫茶店の居抜き開業はアリかナシかである。
Q、何か反論は見つかりましたか?
反対派、インベスター
「たしかに3S理論は完璧でした。しかし、この喫茶店が成り立つのはこの商店街ありきの話ですよね?よって、この商店街が数年後無くなったら、喫茶店に来る動機は無くなりますよね?」
Qそこら辺はどうなの?
賛成派、オーナー
「そう簡単に商店街は無くならないでしょう。」
反対派、インベスター
「では、なぜ地方商店街がシャッター通りになってしまったのか、ご存知ですか?」
その原因は、国の補助金だ。
遡ること1980年代、町の商店街はその頃出て来た大型ショッピングモールによって、衰退の一途を辿った。
そこで、弱った商店街を活性化するために、国は莫大な補助金をばら撒き、その結果全国にアーケード商店街が次々と誕生した。
しかし、国の補助金は全額出るわけではない。
よくて三分の一。
残りは地方自治体や、商店街の自己負担になる。
そこで、商店主は借金を返すために、売り場を多くし在庫を積んで売り上げ増を図った。
しかし、アーケード商店街の規模を無視した売り上げ計画など、達成出来るはずもなく借金は膨らんでいった。
その結果、シャッター商店街になってしまったのだ。
商店街政策の失敗によって、店を継ぐ人が激減して現在は十数パーセントまで落ちた。
商店街は後継者不足の状態。
つまり、商店街の未来は必ずしも安泰ということは無いのである。
喫茶店の未来を救うのはスマホ!
そろそろ終盤。
母:「どうすれば良いと思う?」
娘:「スマホがある!」
どういうことか?
スマホが普及する以前は、町についた看板を見てお店を選んでいたのではないか?
しかし、スマホが普及してから町の看板を見渡すのではなく、スマホで近くのお店を検索するようになった。
今では、スマホ検索で自分の行きたい飲食店を検索することができる。
つまり、これからは個人商店の時代だということ。
良い店ならば、どこにあってもスマホで検索して来てくれるお客さんがいる。
オーナー
「たしかにSNSで知ったお客様がふえているんですよ!居心地の良い落ち着いたお店だと言ってね!」
まとめ
将来、喫茶店や個人カフェを営みたいという方は少なからずいるだろう。
そんな中で、後継者がいない既存のお店を譲り受ける居抜き起業という選択肢も視野に入れる必要がある。
今回のテーマのまとめして
- 居抜き起業は初期リスクが低いため有効
- 個人店のオススメとして3S(Slim,Simple,Slow)が大切
- 個人店の未来は SNSの口コミが握っている
これから喫茶店や個人店を開業しようと考えている人には、居抜き起業という選択肢もぜひ視野に入れてみてはどうだろうか?
また、この記事でインベスターZが気になるという方は現在金曜日の深夜24:52〜番組がスタートしているためぜひ見て欲しい。
http://www.tv-tokyo.co.jp/investorz/
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