
近年、台風や地震の影響で電柱が倒壊する様子を目にすることが多くなりました。
その原因として、
- 構造物が耐えられないほどの暴風雨
- 電柱というコンクリート構造物の劣化
が挙げられるでしょう。
私たちの生活を支える電気は、電線を通って我々の家庭に供給されます。
しかし、災害によって電柱が倒壊し、その影響で電線が切れてしまったら電気は供給されません。
そして、停電が続くと冷房や冷蔵庫が使えなくなり、夏場は熱中症になるリスクが高まるなど、二次災害が引き起こされます。
今回はそんな災害に強い『無電柱化』というテーマについて話していこうと思います。
少し専門的なお話ですが、我々の生活を支えるインフラの知識は一般的に持っておくと良いかもしれません。
無電柱化とは?
東京都知事が小池百合子都知事に変わってから様々な政策が打ち出されました。
- 選択的夫婦別姓制度
- 女性宮家
- 表現規制
- 無電柱化
- 満員電車の解消
- 子供を受動喫煙から守る条例
- 受動喫煙防止条例
これらの政策の中に無電柱化も入ったことにより、名前だけは聞いたことがある人も多いのではないでしょうか?
無電柱化とは読んで字のごとく電柱を無くす計画です。
別名、電線類地中化と呼び、「電線類を地面の下に配置しましょう」という政策のことです。
無電柱化するとどれくらい街並みが変わるかという図を以下に示します。
ニューヨークの無電柱化をする前後の比較
出典:国土交通省HP
電柱が無くなるだけで見違えるほど街並みがスッキリします。
しかし、世界に比べて日本は無電柱化が進んでいない結果となっています。
それを示したのが以下のグラフです。
欧米やアジアの主要都市と日本の無電柱化の現状
出典:国土交通省HP
このように、他国に比べて著しく進んでいないことがわかります。
ですから政府としてはいち早く無電柱化を進めたいと考えいるのが現状です。
無電柱化のメリット
無電柱化のメリットとしては以下のことが挙げられます。
- 災害に強い
- 災害による二次被害を防げる
- 街の景観が良くなる
- 街のブランドが上がり地価が高くなる
- 電柱の分のスペースで歩道を広げたりバリアフリー化を進めたり出来る
- 電柱に衝突する事故を無くすことが出来る
以上のことをピックアップして説明していきます。
災害に強い
まず、災害に強いことが挙げられます。
電柱が倒壊すると道路を阻み、交通網がマヒしてしまいます。そのため、土砂災害や川の氾濫で救助が必要な地域に行くことが困難になってしまいます。
しかし、そういった事態が起きた時に無電柱化している地域だと円滑に救助活動や避難が可能になります。
また、電柱に比べて災害時の被害が半分以下になるというデータもあります。
景観が良くなる
街の景観が良くなって、その地域の価値が上がる効果もあります。
例えば、歴史的な街並みがある場所に電柱があると、観光した時に感動が薄まりますよね?
実際に無電柱化をし、景観を変えたことで観光客が増加した地域があります。
- 埼玉県川越市の川越一番街
- 三重県伊勢市のおはらい町
どちらも無電柱化によって、遠のいていた観光客を再び引き寄せることに成功しました。
このように無電柱化のメリットは多く注目されていて、これから少しずつ街並みが変わっていくのではないでしょうか。
無電柱化のデメリット
しかし、もちろんデメリットもあります。
- 工事費用が電柱よりも数倍以上高い
- 全地域を無電柱化するには相当な時間が必要
- 損傷が起きた時に復旧が遅れる可能性がある
- 探偵が電柱を使って隠れられなくなる
コスト面
やはり一番の問題はコスト面です。
電柱を設置するよりも数倍から十数倍と言われています。道路を掘り返して行う工事ですので、土地によって費用や工期にバラツキがあるのも事実です。
復旧の遅れ
損傷が起きた時に復旧が遅れる可能性があるという問題です。
こちらは知り合いの有識者に話を伺ったところ、現在はそこも考慮したうえで新技術を開発したりケーブルを埋設したりしているため、むしろ電柱よりも簡単になるのではないかということでした。
インフラの技術はどんどん伸びていくという印象ですね。
探偵が追跡しにくくなる
最後のはオマケですが、探偵が電柱を使って隠れなくなってしまう問題です。
探偵モノの作品や家族アニメで、電柱に隠れながら誰かの後を追うシーンを見たことがある人は多いと思います。なんとそれが出来なくなってしまうんですね。

これは探偵さんにとって死活問題ではないでしょうか。。。
さいごに
災害大国日本では、災害による被害を少しでも拡大させない取り組みが必要であると感じます。
無電柱化や道路の大規模工事など、公共の土地を用いる工事は住民の許可も必要になる場合が多いです。
そのため、少しでもこうした情報を皆さんが認知できたら良いなと思い記事にしました。
これからの皆さんの生活が、より安全なものになることを心から願っています。
無電柱化が気になった方は国土交通省のHPが面白いので一度見てみると良いですよ!
http://www.mlit.go.jp/road/road/traffic/chicyuka/index.html
防災グッズを揃えたい方はこちらの記事も合わせてどうぞ!